平成26年10月からスギ花粉症に対する舌下免疫療法(減感作療法)が保険診療で受けられるようになりました。 平成30年7月からはシダキュアも処方可能になっています。舌下免疫療法(減感作療法)の効果や有効率などの詳細は鳥居薬品のアレルゲン免疫療法専門サイトを参照してください。
まず、シダトレンとシダキュアの違いをお示しします。
<シダトレン>
開始から1週間目と2週間目に受診が必要ですが、トラブルがなければその後は1ヶ月ごとの受診。
12歳以上で治療可能。
<シダキュア>
開始から1週間目、その後は2週間毎に受診が必要です。
5歳以上で治療可能。
ここからは鈴木クリニックで舌下免疫療法を受ける実際の手順をQ&A形式で説明します。
Q1 治療が受けられるのは何歳からですか: シダトレンは12歳以上、シダキュアは5歳以上12歳未満の方でも治療可能です。4歳以下は残念ながら治療を受けることができません。
Q2 最初に調べることはなんですか: シダトレンはスギ花粉症のみにしか効果がないのでスギ花粉を含めたアレルゲンに対する特異的IgEを血液検査で調べます。スギ花粉症と思っていても別の原因のこともありますので最低一度は調べる必要があります。これまでに検査した資料で代用可能な場合がありますので検査結果をお持ちでしたらご持参ください。検査の結果がでるのに5日ほどかかります。持参の資料がない場合は初日はお薬はありません。
Q3 スギ花粉とヒノキ花粉にアレルギーがあることがわかりましたが、舌下免疫療法をやってもよいですか: スギ花粉症に対しては効果が期待できますがヒノキ花粉症には効果がありませんので、スギ花粉の時期の症状はよくなることが期待できますがヒノキ花粉の時期はこれまでどおりの病状がつづくと予想されます。舌下免疫療法を受けることは可能です。
Q4 スギ花粉症の治療とダニアレルギーの治療は同時にできますか: 同時にはできません。どちらかを選んで治療を開始します。例えばスギ花粉症の治療から開始した場合は、スギ花粉症の治療が終了してからダニアレルギーの治療を開始します。
Q5 検査の結果、治療を開始することになったら薬はどこでもらいますか: 初回の処方と治療は当院内でおこないます。初回の治療は、まれですが強いアレルギー反応が出ることがありますので自宅ではおこなわず、必ずクリニックで医師・看護師の指導の下でおこなってください。
Q6 初回治療にかかる時間はどれくらいでしょうか・・・初回の舌下投与後20分ほど様子をみて問題がないことを確認後帰宅していただきます。2日目からは自宅で治療を継続します。実施した状況をノート(診察時に差し上げます)かスマホアプリ(鳥居薬品のホームページで入手可能です)に記録しつつ指示にしたがってお薬を増量してください。
Q7 治療開始後、次の受診はいつですか: 1週間目に再受診です。治療状況や副作用をおたずねし診察上も問題のないことを確認して次回までのお薬を処方します。次の受診はさらに1週間後です。順調な経過ならそれ以後は2週間毎の受診となります。
Q8 いつまで続ける必要がありますか: 最大の効果が得られるのは1年以上かかります。中断しないように治療を継続してください。
Q9 治療費はおよそいくらくらいかかりますか: 舌下免疫療法のみの治療の場合、3割負担で初回受診時は初診料と血液検査を合わせておよそ6000円(アレルギーの検査のみの場合)から7000円(貧血・肝腎機能検査をあわせておこなう場合)、2回目は再診料とお薬代などでおよそ1100円(一週間分の薬)、3回目はおよそ1300円(一週間分の薬)、4回目以後はおよそ1400円(2週間分の薬)。1割負担の場合はそれぞれ、およそ2000円から2330円、およそ370円、およそ440円、およそ470円となります。(合併症の有無や副作用の状態、他の薬がある場合などは別途費用がかかることがありますので概算とお考えください。)