今回は食塩を有効に使う調理の工夫についてお話したいと思います。
料理の際、塩が砂糖と一緒になると、塩辛さが消えて甘みが強まり、塩が酢と一緒になると酢の味を引き立てて、塩味は表面に出てきません。すし飯を考えてみてください。すし酢には酢・砂糖・塩を使いますが塩辛くありませんよね。すし飯1合には3g程度の塩分が入っています(ちなみに砂糖も3g程度)。これは一方の味がもう一方の味を弱める現象で、味の「抑制効果」といいます。
また、スイカに塩を少量かけると甘みが強まり、だしに塩を加えると旨みが増します。このように2つの違う味を混ぜた時、主になる味が強く感じられることを、味の「対比効果」と言います。対比効果は、和食ではよく使われています。塩味を感じない程度に塩を入れてうま味を引き立てるのです。
つまり減塩をしていく上で、舌先で感じる味覚に頼っているだけでは塩分量を正しく知ることができないのです。ここに減塩の難しさがあります。
<食塩を有効に使う工夫>
ちなみに、塩を指でひとつまみすると約0.3gです。しょうゆ差しで小皿に半円を描くと約1gです。覚えておくと便利ですね。
(事務・栄養士 諏佐)