どの診療科にもあてはまりますが、専門的な深い知識は、正しい診断や適切な治療のため欠かせません。循環器専門医の資格を取得するためには、指導医がいて検査機器などが整った定められた施設(=多くは大学病院や総合病院)で臨床経験を積み、一定数・一定種類の疾患の患者の主治医となって診断・治療した経過を症例報告した上で、筆記試験に合格することが必要です。つまり専門医は豊富な知識に加えて十分な経験があるということを意味します。
多くの循環器疾患の診断や病状評価には運動負荷試験と心臓超音波(=心エコー)検査は欠かせませんが、循環器専門医ならばこの2つの検査を必要に応じて実施し治療方針を決定することができます。
この点を考慮すると、すでに心臓疾患の診断がついている場合や、動悸・息切れ・むくみ・胸痛などの心臓疾患を疑わせる症状があれば循環器専門医に診てもらうのが理想的です。
なかでも、「どきどきする」「脈が飛ぶ」といった不整脈に関しては循環器専門医でないと自信を持って病状評価や最適な治療方針を決定し、生活指導をすることは困難でしょう。
専門医のいる総合病院で診療を受けるのはもちろん良いのですが、利便性の点で循環器専門医のいるクリニックを受診し治療を受ける価値は十分にあると考えます。